東京23区の西部地域には馬に因んだ地名が多く見られます。駒込、駒場、駒沢などは中でも良く耳にします。豊島区の駒込は「多くの馬」という意味ですが、歴史は古く日本武尊の時代に遡るとの説もあるようです。目黒区の駒場の歴史はやはり古く、その意味は「馬の牧場」であり、主に軍用馬の育成の場であったと云われています。一方、世田谷区の駒沢の地名は、明治時代の中期に上馬引沢村、下馬引沢村、深沢村などが合併した際、それら旧名の馬(駒)と沢を合わせて駒沢とした合成地名であり、地名自体の歴史は新しいとのことです。(合成地名と云えば、大森と蒲田を合わせた大田区が有名ですね。)
現在の世田谷区には上馬引沢村、下馬引沢村に由来する、上馬(かみうま)、下馬(しもうま)の町名も残っていますが、元々は源頼朝の時代の「馬引沢」、「この沢(湿地)では馬を下りて引いて渡る」、というのが由来であるとされています。更に世田谷区下馬には駒留(こまどめ)、駒繋(こまつなぎ)という地名もあります。古い時代から馬との関わりが強かったことを窺わせる地域の特徴のように感じました。
