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コロナ禍の中で迎える年の瀬-近隣地域内の交流について-

2020年、元号が令和になった2年目の今年は、2月が29日まである閏年で、本来であれば東京オリンピック・パラリンピックが開催される筈の年でもありました。ラグビーワールドカップ2019の結果などスポーツ界での朗報も多く、その機運は益々高まっていました。一方、2019年は各地で地震や台風の大きな被害がありその復興が大きな課題であり、12月にはアフガニスタンで中村哲医師らの銃撃事件があるなど穏やかでないニュースで年末を迎えていました。そのような中ではありましたが、年が明けた1月4日、土曜日のニュースのトップにはUターンラッシュが挙げられていました。年末年始は例年通りの帰省など比較的穏やかに過ごされた方も多かったのではないでしょうか。2020年は力強く前に向かい、むしろオリパラ閉幕後の経済についての懸念が語られて始めていた状況でした。

耳にしたことがなかった武漢という都市が1100万人規模だということも驚きでしたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により、世界中の人々の日常生活、社会生活が激変に巻き込まれる現状を誰も想像できていませんでした。2002年に中国で発生したSARS、2012年に中東で発生したMERSもコロナウイルス感染による呼吸器疾患です。各原因ウイルスの性質により広がる速さ、地域に違いが出たと思われますが、国際民間航空機関 (CIAO)、国際航空運送協会(IATA)の集計によると、この20年間に飛行機で世界中を行き来する人の数は2002年頃に比べ昨年度は3倍に増加しており、感染症の拡大対策の重要性が益々高めっている状況にあったようです。

4月7日からの緊急事態宣言により、通勤時間帯でさえも市中を行き来する人の数が激減し、対照的にスーパーマーケットが込み合うという状況になりました。単に国や地方自治体による対策だけでなく、最近までテレビなどを通してご活躍を身近に見ていた方々の訃報を受けるなどして自粛ムードが一層高まり、感染者数を低く抑えることができていたように思います。欧州、米国では感染者数、死亡者数ともに激増したことから、一時期は、COVID-19に対する感受性が、欧米人と日本人を含むアジア人との間で違うのではないかという考え方も紹介されていました。また、緊急事態宣言が出された第一波の時期に比べると様子もある程度見えてきていて、事態は深刻化していないとの錯覚もありそうに思います。日本人に限らず多くの人は安心できる情報を求めて信じる傾向があります。そのような経緯があってか、年末を迎えるこの時期の第三波とも呼ばれる現段階において人出は余り減らず、PCR検査による陽性者数も毎日最高値が更新されている状況になっています。今後の動向については各専門家などにより分析、予測あれているものと思いますが、人工知能AIが予測しているものを民間情報企業も公開しており、その結果は必ずしも楽観できるものではないようです。

緊急事態宣言下の生活が始まった頃から、現状を乗り切って元の生活に戻れる時期を見据えた議論は次第に変化し始め、今後の生活様式がどのような方向で大きく変化してゆくか、変化するべきかという議論が優勢になってきたように思います。見えやすい変化としては、インターネットの活用を基盤とした在宅勤務、ウェブ会議の広がりや、決済手続きの電子化など、人の移動、接触を可能な限り減らすための技術ベースの内容が挙げられがちのように感じます。一方で、生活様式が変化した中においても人と人との交流は大切ですし、旅行などを通した文化交流、他地域の理解も例外ではありません。経済復旧を含めたGO TOシリーズの政策は、可能な範囲で人の往来を回復させつつ、経済を回すことを重要視したものでした。ただ、元に戻してゆくためには、向かうべき方向性を見据えた上で、着手するべき順番が大切な気がしています。歴史を振り返ってみても、人同士の交流の原点は、居住区域、生活地域単位でした。年代を超えた人の交流によりお互いの行動を理解しつつ、必要に応じて生活様式を軌道修正し合う。次は市区町村、あるいは都道府県単位でしょうか。このコロナ禍の中において、宿泊施設の利用についても都道府県内の小旅行が推奨された事例もありました。更にいくつかの段階を経て、最終的にはオリパラの開催を含めた大陸を跨がる人の移動も必要になるでしょう。開発中のワクチンの力を借りるステップは主にこの段階に効いてくると思っています(医療従事者など高リスクの方へのワクチンの適用は、人と人との交流の枠の外で考えるべきあり、最優先であることは云うまでもありません)。原点を繰り返しますが、コロナ禍をきっかけとして、近年において希薄になりつつあると云われた近隣地域内の交流を少しでも取り戻すよう、各地で始動の機運が高まらないものかと考えています。

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