メディアの役割は本当に大切だと思っています。政治から芸能界まで裏側の情報を炙り出して視聴者や読者に伝える、広く知らしめるべき情報を伝える…。
しかしこのコロナ禍においては、発信者の思考と受信者の思考が大きく乖離しているように感じています。受信者の受け止め方に多様性があるのは、平時には必須であり、このブログのテーマである地域の独自性の原点の一つでもあります。
メディア側の発信者は、多分、社会科学をベースと人たちが大半なのだと思います。今回の相手は新型ウイルスなのですが、話題は政策であるとか、生活者の行動などに集中しています。今回の件については、社会科学的思考の中に、土台となる自然科学的な根拠を取り込む必要があります。最もそれを顕著に感じたのは「ランチも控える」という発信です。
新型コロナウイルスに関する情報はまだ十分ではないのかも知れません。けれども、「空気感染ではなく飛沫感染」「マスクは感染予防に極めて有効」「飲酒すると声も大きくなるので飛沫リスクも高まる」「食事の場では昼夜問わずマスクを外すので、大きな感染リスクになっている」などについては、これまでも情報発信されてきました。またこれらを根拠として「ランチも控える」に至ったのだと理解しています。しかし、全ての受信者がこれらのすべての自然科学的な根拠を思い起こして受信している訳ではないので、政策に対して大きな批判の声も聞こえてきます。
このところ家庭内感染の比率が上がってきたようです。個皿での食事を、トイレには蓋をしてというのも何故か耳に残っています。しかし、地下鉄大江戸線の乗務員の方の感染源が洗面台の蛇口であることが報道されましたが、この情報を家庭内感染の予防にどのように役立てるかというお話にはなっていません。幅広く実現できる方法が説明しづらいからでしょうか。受信者は、自分たちが感染しないための情報が提供されていないことにさえ気付かされていない状況かも知れません。
呼吸器は専門外というお医者にも新型コロナ患者の診療をして頂かなければ追いつかないような話になっています。医療従事者だけに任せるのではなく、各自がもっと柔軟に…。メディアも自然科学的な思考、説明に取り組む、日本中が一丸となってできることはもっとあるように思います。