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竹のある生活

猛暑日が続き、少しでも熱源を減らそうと、電灯といえば蛍光灯やLEDが主流ではありますが、家の数か所に残る白熱電球をなるべく点けないように暮らしています。白熱電球といえば、トーマス・エジソンがその商品化に向けてフィラメントの素材を探していた際に、たまたま研究室にあった扇子の竹が有力候補であることが分かり、各国から集めた多種類の竹を比較し点灯時間が最も長かった京都府八幡市の真竹が採用されていたことはよく知られています。フィラメントはその後、タングステンに取って代わられますが、竹自体は生育が大変早く、横方向にはしなやかな柔軟性があり、縦方向には割れやすい性質をもち加工が容易であることから、様々な道具の材料として、また建築用材などとしても活用されてきました。ただ最近は竹製の扇子や団扇は高級品として取扱われ、竹籠などはプラスチック製品になってしまいました。

竹林は五月連休時期に竹の子を取る場となりますが、その生産量は福岡県、鹿児島県が最も多く、熊本県、京都府と続くようです。関東平野では防風林として集落の北側に竹やぶが設けられていて、竹が道具の材料や建築用材として利用されていた頃までは複数の役割を果たしてきましたが、繁殖力が大きい分、維持に手間が掛かる一面もあり、少しずつ減ってきました。とは言え、今でも電車や車で各地を出歩いていると、各地に小規模な竹林が残されていることに気づくこともあり、竹やぶ、あるいは竹そのものの特有の姿形をみると少し気持ちが和みます。東京都目黒区に「すずめのお宿緑地公園」があり、その一角が竹林になっています。

すずめのお宿緑地公園にある竹林は広くはありませんが、小径には分かれ道もあり、竹林の趣を十分に楽しむことができます。

竹林では生い茂る葉が日光を遮るため、中に入るとこの季節でも暑さが緩みます。愛犬を連れた散歩人がベンチに腰掛けて一休みしている光景もみられました。

大きな竹は強い日差しを和らげてくれます。地面まで日が届かなくなることから、竹林では他の植物が生育できず、竹のみになってしまうのも特徴です。

7月といえば、京都では夏の訪れを知らせる祇園祭が開催され、観光客を含む多くの人達で賑わっていました。山鉾の鉾に聳える真木(しんぎ)は、高さや真っ直ぐに伸びる形状から、竹でできているに違いないと思いつつ調べてみました。その結果、(考えてみると良くしなる竹材1本では、空に伸びるあの高さを真っ直ぐに維持できないことが分かりますが)真木は三段になっていて、下二段は檜や欅、そして上段は竹で作られているとのことです。他にも、竹は神事でしばしば用いられますが、京都の銘竹問屋さんによると、「笹の葉のついた竹は、神様が乗り移りやすく、神様の言葉を伝えるものとして扱われてきた」とのことです。生長が早く、常に緑色(竹はイネ科の常緑多年性です)、節目正しく、真竹の場合は120年に1回しか花が咲かず(全国で一斉に開花後は枯れ、再び120年間の周期に戻るそうで)永遠と考えられたことが背景になっています。

函谷(かんこ)鉾。コロナ禍がようやく一段落し、今年の祇園祭は多くの観光客で賑わっていました。

常緑ですので、竹の葉に雪に覆われている姿を実際に、あるいは写真などで見た記憶をお持ちの方も多いのではないでしょうか。酷暑の日々が続きますが、時には冬の竹林の風景を想像し、あるいは近くに竹の公園などがあれば涼みにゆきつつ、何とか元気でこの夏も乗り越えてゆきましょう。