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神在月前の出雲路への旅

コロナ禍以降、仕事での出張や親戚筋の法事などでの移動は時折ありましたが、プライベートの旅行をこの9月、久しぶりに満喫してきました。島根県方面、とても風光明媚なところとの話を聞く一方、鳥取県も含めて旅程に入れたほうが良いなどのご助言も頂きつつ、日程一杯、島根県内をレンタカーで巡ってきました。出雲大社は勿論ですが、いくつかの有名な神社を訪れつつ、日本の対外的優位性を支えることで現在の国力に貢献したと認識した石見銀山方面、数ある温泉地の中から玉造温泉で出会った安木節、江戸時代には北前船の風待ち港として賑わい、今は漁港+温泉+神事の岬町である美保関、現代の名園である足立美術館に一定の時間をあてると、日程には全くの余裕がない状況でした。この旅行にて感じて、心に残った思いが十分にお伝えできるか不明ですが、写真を並べつつ振り返りました。

1.出雲大社、八重垣神社、須佐神社、日御碕神社

八重垣神社拝殿 (左奥本殿):出雲大社を参拝する際に、島根県内の他の神社の先に行くのが良いか、後が良いかとの話になることがあるようです。祀られている神様の親子関係によるのですが、神社同士の関係性ではないので、午前中に上手く回れるルートを選ぶのが良いと思います。八重垣神社には、八岐大蛇(やまたのおろち)を退治した素戔嗚尊(すさのおのみこと)が祀られ、出雲大社に祀られている大国主命(おおくにぬしのみこと)の義理の父にあたることから、地元では八重垣神社へ先に、ということです。同様に、須佐神社の御祭神は、須佐能袁命 (すさのをのみこと)、稲田比売命 (いなたひめのみこと) などで、義理の父母です。また、出雲大社から北へ向かい、島根半島西端、日御碕に到着する直前に日御碕神社がありますが、姉弟の天照大神(あまてらすおおみかみ)と素戔嗚尊がお祀りされています。
神迎の道:出雲大社の西方にある稲佐の浜から出雲大社に向かう自家用車がすれ違える程度の幅の道路で、一般の生活道の佇まいです。商店などが殆どなく落ちついた感じで、途中で気になった歯医者さんの写真を撮りました。旧暦10月の神無月(出雲では神在月)には、神議り(かみはかり、縁結びなと人々の大切なことが決められる)のために全国から八百万の神(やおろずのかみ)が集まるとされています。海から稲佐の浜に上がられた神々は、この神迎の道を通って出雲大社に向かわれます。
勢溜(せいだまり)の大鳥居(二の鳥居):9月になっても暑い日が続いていましたが、多くの方々が参拝に訪れていました。
拝殿:御本殿のある神聖な瑞垣内に入れないので、先ずはこちらの拝殿にて大国主命にニ礼四拍一礼します。
御本殿の後ろ:高さ24メートルに及ぶ大社造りの風格に加えて、瑞垣内には間違いなく神秘的な空気が流れていることを感じるエリアです。拝殿前などと比べると歩く人々は少ないようでしたが、出雲大社を再訪する機会があれば、是非とも今一度ゆっくりと時間を過ごしたいエリアだと思いました。
八足門(やつあしもん、左奥)と観祭楼:正月三ヶ日と1月下旬の特別拝観期間中、八足門が開扉されて楼門前までが解放されるとのことです。御本殿にかなり近づけることになります。

2.石見銀山

本来ですと、大森の町並みをゆっくりと散策しつつ、龍源寺間歩(坑道)を見学するところですが、今回の旅行では石見地区で余裕のある時間を確保していませんでした。一方、石見銀山世界遺産センターに立ち寄り、歴史や鉱脈、坑道の分布などについて学ぶことができました。戦国時代後期から江戸時代前期の最盛期において、日本では世界の銀の三分の一程度が採掘され、その相当量が石見銀山から産出されたものであったようです。鉱山に必須の木炭を得るのと並行し、植林を行うなど環境に配慮し自然が維持されている点が評価され、世界遺産に指定されたとのことです。

3.美保関

美保関の街並み:いくつかの温泉宿、ホテルが立ち並ぶ港町、美保関(みほのせき)は、島根半島の東端にあります。松江市から中海沿いを抜け、あるいは鳥取県境港市側から境水道大橋を渡り、境美保関線とよばれる海岸線の道路を15分程度走って到着です。松江市や境港市から少し離れた、美保湾に面した良港であり、街の喧騒から一線を画した雰囲気のある佇まいです。
青石畳通り:山が近くまで迫って居住エリアは限られていますが、温泉宿の裏手には、廻船問屋が軒を連ねた当時、積み荷を運ぶために整備された青石畳通りが残されています。
美保神社:御祭神は、三穂津姫命(みほつめのみこと)と事代主神(ことしろのみこと)。三穂津姫命は、大国主命の御后神で、五穀豊穣・夫婦和合・安産・子孫繁栄・歌舞音曲(音楽)の守護神として知られています。事代主神は「えびす様」として良く知られています。大国主命の第一の御子神で、鯛を手にされているお姿からも海上安全・大漁満足・商売繁盛の守護神であり、また、学業・歌舞音曲(音楽)の神様でもあります。因みに、三穂津姫命と事代主命は親子ではありません。
美保神社拝殿(手前)と本殿(奥):朝の8:30と夕方の15:30頃、御祭神にお供物を奉る儀式があり、巫女舞を見ることができるとのことです。
美保関灯台:港、温泉街から5分車で走ると、島根半島東端、地蔵崎の駐車場に到着します。そこから徒歩でほんの少し進むと、眼前に真っ青な日本海が広がっています。遠くには隠岐島を望むことができる、正に大パノラマ。標高70m以上の位置からならではの風景です。美保関灯台は、1898年(明治31年)に建造、山陰最古かつ世界の歴史的灯台100選にも選ばれた由緒ある灯台で、入口の門柱なども趣があり素敵な一角になっています。

4.安木節

一宇川耕士一座:玉湯川沿いに温泉ホテル、宿が並ぶ玉造温泉は、奈良時代に開湯した最古の温泉の一つとされています。高級化粧水を凌ぐ美肌効果があることでも有名です。懐かしさを感じる由緒ある温泉街という印象でした。訪れた時期には丁度、街の一角にある温泉施設3階のホールで、夜芸が催されていました。想定外の幸運にて、生で安木節、どじょうすくい踊りを満喫しました。踊り手は一座の生え抜き(実子)の中学生で、終演後に一緒に記念撮影して貰った際には、額から顔面まで玉汗で一杯でした。

5.足立美術館

安木市の田園風景の中に突如、美術館の建物群が現れます。地元安木出身の実業家、安立全康氏が1970年(昭和45年)に設立した、横山大観の大コレクションを始めとする日本画を中心とした絵画と、借景法を用いた壮大で美しい日本庭園で有名な美術館です。個人的には、林義雄さん等のかわいい児童画も多数展示されているところ立ち止まって見入ってしまいました。美術品については、海外の資産家のもとに流出することなく、国内でこのように落ち着いて鑑賞できることは、とても有難いことだと思います。また、館内にはレストランやカフェがあり、庭園を眺めながらゆったりとした時間が過ごせるのも魅力です。

1日、2日ではとても周りきれず、今回は松江方面にも向かうことができませんでしたが、今回のように多少余裕のあるスケジュールで再訪できればと思います。宿の方のお話では、家族との繋がりも大切にされて、とても穏やかに生活されている印象でした。