新型コロナが沈静化しているのを機会に新幹線に乗り、西に向かいました。快晴の秋空の下、山頂付近が白くなった富士山を眺め、所々に色付いた紅葉の風景を車窓の中に描き消しながら、意外に新幹線が細かく揺れるのを感じながら進みました。普段乗り慣れている地下鉄などに比べると、二段階も三段階も上の高速対策を取った上で最小限に抑えた衝撃なのでしょう。

程なく京都駅に降り立ちました。近頃、暫くぶりの駅前が何処なのか、駅前の雰囲気を感じるのに時間が掛かることが時としてあります。大型の商業施設のネオンサインや看板が似通っていることに因るように思います。対して京都駅の改札口を出て、駅前に立つ、タクシーなどで徐々に駅を離れると、京都は何か違うなぁと感じます。

京都市街地では、屋上に広告を設置することが制限されています。大きさに関わらず電灯が点滅する看板を出すことができません。また、原則高さ31メートルを超えるビルを建てることができないとのルールもあります。街の発展を考えると、必ずしも賛成意見ばかりではないように思われますが、歴史的建造物の存在を損なわず、景観を維持するために長い間合意されてきた賜物として京都の風情が守られています。

京都の市街地には高速道路がないことにも気付きます。自動車の排気ガスにより寺社の金属製の装飾品の腐食が進んでいる問題もあります。歴史的遺産の維持には、表には出ない莫大な努力が必要なことは、自然遺産を維持する大変さと共通しているように思います。目で見て、見えないものを見ることの大切さを感じた京都訪問でした。