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図書館に行くと、様々な意味で家庭の本棚に並べることができない書籍に出会うことができますが、今回出会って開いてみたのは、「明治・大正・昭和 東京1万分の1地形図集成 柏書房」でした。何せ大きくて、幅70~80、縦50~60、厚さ5 cm程度でしょうか、棚に立掛けてある状態でなく、新聞閲覧台のような斜めの平面上で開いて閲覧できるようにセットされていました。
序文には、自然地形の諸相と変貌、近代都市としての形成・発展態様や変遷を伝えることが目的とあります。現在の東京23区の区名で馴染みのある地名もありますが、明治、大正、昭和各々の地図のタイトルになっている地名を拾ってみると、多くが区名とは違っています。
明治42年測図、大正14年測図: 千住、向島、深川、洲崎、三河島、上野、日本橋、新橋、品川台場、王子、早稲田、四谷、三田、品川、下練馬、新井、中野、世田谷、碑文谷
昭和12年測図のものは次の地図が追加になっています。こちらには現在の市名になっているものが散見されます: 市川、行徳、松戸、金町、小岩、小松川、浦安、江戸川口、草加、花畑、舎人、西新井、穴守、羽田燈台、赤羽、大森、蒲田、志村、田園調布、矢口、成増、石神井、荻窪、上高井戸、経堂、二子、溝口、膝折、下保谷、吉祥寺、井之頭、成城、登戸
この下馬図書館のある明治時代の「世田谷」を開くと、東は現在の渋谷駅、北は駒場の東京大学の辺りでしょうか、西は環状7号線道路、南は駒繋神社までの範囲です。中央に広大な駒澤練兵場や近衛砲兵連隊の敷地が占めています。現在は、陸上自衛隊のほか、世田谷公園、小学校など公共性の高い目的で使用されている施設が多いようです。駒繋神社には現在住宅地になっている方向に100メートル近くの参道がありました。特殊な施設としては神社の西方向に獣医学校、自動車学校があり、大正時代の「世田谷」になると、各々東京高等獣医専、明治薬専に変わっています。直接的には練兵場などとの関係はなかったと思われますが、軍馬や兵士の衛生、傷病対策に関係のある地域であったことが想像されます。現在これらの土地は日本大学(危機管理学部スポーツ科学部)、大規模マンションになっていますが、以前は各々日本大学(獣医学科を含む)生物資源科学部、明治薬科大学がありました。地域を年表上を辿りながら思い浮かべることができ、本書の序文にあった「近代都市としての形成・発展態様や変遷を伝える」という目的を十分に果たしていると感じました。
日本大学生命資源学部 (獣医学科)→日本大学三軒茶屋キャンパス
明治薬科大学→大規模マンション
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渋谷駅から東急田園都市線にて三軒茶屋で降り、駅近くの昭和女子大学の南方、静かな住宅地にある図書館です。敷地面積は広くないと思いますが、1階には児童書、2階には一般書が充実し、3階は主に自習室になっており、その一角に「地域資料コーナー」があります。同図書館近くにある駒繋神社に纏わる歴史に関する展示のほか、行政文書、統計年鑑、地域の歴史に関する多数の資料を閲覧することができます。初めて訪問した1月の日曜日においても、自習コーナーの利用者以外に、同館に保存されている資料を調査対象として活動されている方が複数名いらっしゃいました。
駒繋神社
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