朝11時の飛行機まで30分程度でも、沖縄県立博物館・美術館に行けるかどうか迷っていました。ゆいレールおもろまち駅で下車、徒歩で10分以上ですので、行くなら早くチェックアウトして出発しなければいけません。迷っているうちに時間が過ぎ、開館の9時が徐々に迫ってきています。今回は県立博物館は諦め、近場で行けるところはないかと地図で探していると、宿泊しているゆいレール美栄橋駅近くのホテルから県立博物館は、直線距離では意外に近くであることに気付きました。旅先の貴重な時間なので、タクシーの基本料金くらいは良いかな、と思って実際にそのようにしました。開館前に到着して特徴的な建物外観の写真を撮り、9時丁度に入口に向かうと、すでに数名の親子連れが入場券を買っているところでした。

持ち時間は30分しかありません。エントランスはいかにも沖縄らしい海洋の自然で誘ってきます。足早にジオラマなどを見たあと、引続き自然の素晴らしさが体感できるルートもあったようなのですが、前へ直進すると歴史コーナーに入って行きました。古代から始まっていて、珍らしい完全体のヒトの化石が発見されているとの時代を過ぎて印象に残りづらいスピードで時代を進んでいると、台湾や与那国、石垣、宮古島を含む地図の前で足が止まりました。そうなのか、琉球王朝の時代からかなり南方まで統一されていたので、今の日本の国境線が台湾近くになっているのだと。俄か勉強で凄い発見をした気になって更に進んだところで、展示物監視の職員の方が声を掛けて下さいました。(この国境線のことについては、日清戦争やその後の大戦を経て最終的に決まったことです。当初の理解が浅かったことは、2回目に博物館を訪れた際に展示を詳しく見て知りました。)
「随分早いですね。」いや、朝の開館から10分と経っていないタイミングです。きっと「随分速いですね。」に違いない。「飛行機の時間があって、今回は短時間しか居られないのです。」「内地の旅行者の人達は、この博物館にはついでに来られるのですよね。」その後の持ち時間一杯まで、沖縄の歴史には紆余曲折があったこと、加えて、ゆいレールおもろまち駅の西側、この博物館を含めて新都心と呼ばれている地域は米軍基地であったことなど、相当なことを教わりました。「勉強になりました。また来ます。」「こんな短時間じゃ、何も分かっていないですよ。」この出来事以来、何度かこの博物館を訪れることになります。